【新入社員必見】ごみ処理施設(プラント)業界に入る方たちへ先輩社員からのアドバイス

ごみ焼却

一発目の記事ということで、新入社員としてごみ処理施設業界に入る方に向けて、先輩社員としてのアドバイスや業界の紹介を少し記しておきたいと思います。

ごみ処理施設業界について

今年入社される方向けですので、不要かもしれませんが大まかに記載しておきます。もしかすると、入社後に配属先の希望調査などあるかもしれませんので参考になれば。

ごみ処理施設の業界は大きく分けると、プラント業界の一つに分類されます。水処理や下水処理施設などを合わせて、「環境プラント」と括ることもあります。

また、ごみ処理施設は一般的に、官公庁(一般廃棄物)向けと民間(産廃)向けに分けられます。ちなみに私は官公庁向けの仕事を主に行っております。官公庁向け、民間向け両方ともやっている会社もあれば、産廃オンリーという会社も存在します。皆さんの会社はどちらでしょうか。事前に調べておくことをおすすめします。

次に仕事内容についてです。

仕事内容について

新入社員の方にとってはこちらが重要かもしれません。ただ、会社ごとに少し異なる可能性もありますのでご注意ください。

大まかに分けると下記のような役割分担にて仕事を行います。

  • 営業
  • 計画設計
  • 実施設計
  • 工事(施工管理)
  • 試運転
  • 運営、アフターフォロー

・営業

営業については言わずもがな。仕事情報を嗅ぎつけて取ってくるお仕事です。官公庁向けであれば入札がありますので、それの情報収集やヒアリングなども行います。民間向けであれば、お客さんの予算やほしいスペックなど情報を収集、価格交渉、契約に向け調整などがメインの仕事となります。


・計画設計

営業から入手した情報を基に施設の概要を設計します。具体的に言うと、基本的なごみ処理の流れや排ガス処理の流れの設計(フローシート)や大まかな機械の配置を決定したりします。そのへんが決まってくると、より詳細に設計が進められるようになります。例えばごみ処理量に合わせた空気量の設定や薬剤の注入量の決定、煙突から出てくるガス流量、灰の排出量などを計算することができるようになります。それを基に施設の建設費用の概算や運営費の概算をすることも計画設計のお仕事です。

上記のような施設の概要を決定するのが「計画設計」の仕事となります。会社によって異なるかもしれませんが、営業と協力してお客さんと事前に話をしたりすることもあります。
(仕事を取ってきても、「赤字になるやないか!」ということを避けるためです。)


・実施設計

「計画設計」が決めた概要を基に具体化していくのが「実施設計」のお仕事です。例えば、ごみ処理量が決定しているため、焼却炉の規模はこれくらいで、その規模に合わせたダクトはこのくらいの口径で・・・などなど様々です。設計の始めあたりは計算ばかりしています。

おそらく皆さんがイメージする「設計」というと実施設計に当たると思います。
ただし、社内で設計するもの、メーカから購入するものを合わせて作るのがプラントです。全て社内でガリガリ図面を描く訳ではありませんので、「図面なんて製図の講義でしかやってない・・・」とか「CADなんてもう忘れてしまった」という方でも問題ありません。少しずつ図面を読めるようになれば問題ないと思います。

ちなみに私は実施設計を行っています。


・工事(施工管理)

所謂「セコカン」です。工事業者に指示を出し工事を進める旗振り役です。現場で溶接棒を持って作業したりはしませんのでご安心を。

職業柄現場に常駐することが多くなりますので、そういうのを気にしない方、いろんなところ行けるのが良い、お金を稼ぎたいという方には天職かなと思います。


・試運転

工事が完了し、機械や施設全体の試運転を行う部門です。設計通りに動くかどうか確認する非常に重要な部門です。まずは、機器の単体動作を確認して問題がなければごみを投入して燃やしてみる、というような大まかな流れです。機器の動作方法や施設の動かし方など勉強になりますので、「設計部門」に配属された新人が放り込まれるのが弊社の伝統です(笑)。
試運転を完了し、所定の性能を満たしていることを確認する試験(性能試験)をクリアすると施設はお客さんに引き渡されます。

私も工具を持って現場を走り回ったのは良い経験です。まだまだ若手ですので最近の案件でもよく現場を走り回っていますが。。。


・運営、アフターフォロー

DBO(設計、建設、運営)にて受注している場合は、引き渡し後の施設の運営も担います。この運営は別会社を立ち上げる事が多いと思います。(SPC「特別目的会社」と言われるものです、気になった方は調べてみてください)

また、建てたら終わりということではありませんので決められた保証期間満了するまでアフターフォローを行います。電化製品などを同じく、初期不良は存在しますし、運転のアドバイスなど助言を行ったりします。弊社では実施設計部門の人間がアフターフォローを担当する事が多いですが、他社は品質保証の部門が担当したりするのでしょうか。そのへんはよくわかりません。


長くなりましたが役割分担で言うとこんな感じです。入社後の部門紹介で似たような話は有ると思いますが、知らないよりは知っておいたほうが良いと思います。

事前に読んでおいた方が良い本

もしかすると会社から配られるかもしれませんが、おすすめです。一通りのことが記載されております。

とりあえずこれを読んでから現場見学すればイメージはつきやすいと思います。

私の実体験としては、予備知識ほぼゼロで現場見学を行ったのですがさっぱり何もわかりませんでした。大学時代は別の研究をしておりましたのでそもそもの知識が無く、「焼却炉大きいなぁ」とか「バグフィルタって普通に言ってるけど何やねん」みたいな感じです。確実に知識を持ってから現場に行く方がためになります。

最後に

長々と書きましたが、社会に出ることで不安も多いと思います。ましてやプラント業界ってブラックでは・・・と考えているかたも多いと思います。会社によって異なるとは思いますが、最近は働き方改革でホワイトまでは言えませんが、ライトグレーくらいには改善されてきております。私の入社した時はサビ残当たり前でしたが、数年前から勤務時間に厳しくなったり、付与休暇が増え休暇の消化率を上げるような動きがあったり、テレワークを推奨したりと良い傾向です。実際私も案件が忙しい時以外はテレワークをしたり、出勤しても早めに帰れる様になりました。

早めに卒論・修論を書き上げ最後の春休みを満喫できるよう頑張って下さい。

何か聞きたいことなどあればコメントにてお願いします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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